2015年11月アーカイブ

FOMCの利上げによる為替の行方

先日の12月のFOMCにて、ついに0.25%の利上げが決定されました。リーマンショック時の2008年12月末以来、ゼロ金利政策が解除されており、今後は金融緩和政策からの転換が予想されています。

足元の米国経済は好調ですし、雇用環境も好調、また2%の物価上昇率を確保できるとの見通しから利上げに踏み切ったもようです。ただし、今後の利上げは緩やかなものになると見られており、徐々に引き上げていくことが予想されています。

気になるのは株価の動きですが、現在のところ、ニューヨークも東京市場も上昇に転じているようです。けれども、米国の利上げということは、米国へ資金が戻っていくことを意味していますので、新興市場からの資金が流出することが懸念されています。現在のところ、新興市場に配慮された利上げだったため、特に目だった混乱は生じておりませんが、いずれは新興市場からの資金は流出していくものと考えられています。

一方で日本株ですが、今回の利上げにより、円が売られてドルが買われる流れになれば、もしかすると円安という流れになるのかもしれません。なかには円高を予測している人もいますが、概ね、為替は円安に振れるという見方をされている人が多いようです。

となると、日経平均株価は上昇に転ずる可能性が高いですが、原油価格や中国経済の動向など、不確定要素が多いというのが実際のところかと思います。当面の間、125円~130円程度で推移していくものと思われますが、これに伴い、日経平均も2万円を超えてくる可能性が高くなってきました。

今年7~9月期の実質GDPが前期比で-0.2%だったため、年率換算で0.8%減のマイナス成長の結果になりました。個人消費の伸び悩みが顕在化した結果となっています。また、中国経済のバブル崩壊が懸念されているなか、輸出の回復にも目途がたっておらず、減速が鮮明となってきております。

加えて、リフレ派のクルーグマン氏も自説を撤回してしまいましたが、アベノミクスの行方に暗雲が立ち込める結果になったといってもよいでしょう。

一方、アメリカのGDPは情報修正されており、+2.1%という結果になっています。これにより、FRBの利上げ判断を後押しするとの見方も出てきており、資本の流れがアメリカへ移行するような懸念も出始めてきました。

結局、アベノミクスの円安により、大企業の収益は大幅に改善して株価が上昇したものの、資本家である株主の利益が向上しただけで、労働者の賃金には反映されなかったといえます。労働者は円安によるコスト増で消費を抑える傾向があり、さらなる消費税増税なども控えているため、消費するような状況にはなく、景気が回復しないという結果になってしまいました。

今後も社会保障費の増大により、次々に増税が予定されておりますが、さらに消費が冷え込む可能性が出てきており、日本経済は長期的な不況に陥ってしまう可能性も出てきております。

特に、団塊の世代が80代を迎える今後10年程度でさらなる社会保障費の増大が予測されており、現役世代がどこまでの増税に耐えられるのかが焦点になっていくことでしょう。

先日、日経ビジネスで東芝関連の記事が出ておりました。「スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽 内部資料で判明した米ウエスチングハウスの巨額減損」というタイトルですが、これを受けたのでしょうか、本日、東芝が大幅に売られる結果となっています。

アメリカ原理力子会社のウエスチングハウス(WH)が非常にあやしいというニュースは以前から度々出ておりましたが、実際、「計1600億円の巨額減損が発生していた」ようです。原発事業は好調といいつつ、実は巨額の減損が発生していたわけですが、東証はこれも不適切会計ということで済ませるのかもしれません。(詳細不明)

東芝の1件以来、「チャレンジ」という言葉が何だかうさんくさいものに変わってしまいましたが、そもそもチャレンジする分野が違うとボクは思うのです。

そして気になったのは、先日、郵政3社上場がニュースになっていましたが、日本郵政の社長さんは実は元東芝の会長さんだったのです。加えて、東証の元会長さんとかもやっていたようですし、現在でも東芝の相談役を兼任されているようです。「スーパートップ」とか、「東芝の天皇」ともいわれていたようです。

また、東芝の不正会計とよく比較されますが、ライブドアショックの時の東証会長さんでもあったようです。これらのパズルを組み合わせると、なぜライブドアが粉飾で上場廃止になり、一方で東芝が不適切会計(不正会計)で済んでいるのかの理由がボク何となくわかっちゃいました。

ぶっちゃけ、東証の元会長だった人が東芝の元会長でもあり、現在も相談役を兼任、なおかつ東証一大イベントの郵政の社長でもあるから、上場廃止にできないんじゃないの?という気がします。東証のなかの人だって、元上司の古巣を上場廃止に追い込むことができるのかはなはだ疑問です。ボクなんかからみるとコンプライアンス的にどうなの?って気がします。

また、時系列で考えてみても、郵政の上場が11月4日、そして今回のスクープが出たのが11月12日。

このことから考えると、もう郵政上場しちゃったから、あとはしらねーよみたいな対応を東証がしないとも限りません。

よくライブドアの上場廃止と比較されますが、因果応報ということでしょうか、上場廃止があるのかないのかは不明ですが、今後も東芝ニュースには目が離せなくなってきました。