2022年4月アーカイブ

上がったり下がったりを繰り返していた原油高トレンドですが、ここにきて三角持ち合い上放れの展開になってきました。

当初、数週間程度で終戦となる予定でしたが、長期化する様相を呈してきており、停戦協議も難航しています。これに伴い、早期にロシアへの経済制裁が解除される見込みは絶望的となってきました。

加えて、新型コロナも落ち着きを見せ始めているなか、原油価格が下がる要素はあまり見当たらない状況になってきているかと思います。

さらなる利上げで経済活動が停滞し、原油需要が減少すれば、ある程度は抑制される可能性もありますが、今のところ、上がる要素はあっても下がる要素は少ない印象があります。

このまま原油高トレンドが継続すれば、日経平均株価は下落基調に転換するでしょうし、円安、株安、原油高のトリプルパンチに見舞われてしまうかもしれません。

1バレル110~115円あたりまではありそうな印象がありますが、今後、原油高はどこまで高騰するのか注目していきたいと思います。

原油ダブルブルの動向ですが、上がったり、下がったりを繰り返して三角持ち合いの展開となってきました。

ここから上放れるのか、下放れるのか、もしくはヨコヨコの展開になるのかは不明ですが、各国は原油の備蓄を放出するなどして価格高騰の抑制に取り組んでいるようです。

ます、国際エネルギー機関(IEA)加盟国が原油の備蓄を放出することを決定しましたが、放出規模としては1億2千万バレルにのぼるようです。この1億2千万バレルのうち、米国は半分の6千万バレルを負担するようです。

これに先駆けて米国のみで1億8千万バレル規模の放出されるとの報道がありましたが、これは合計で3億バレルではなく、IEA分の6千万バレル込みのようですので、合計2億4千万バレル規模の放出となる計算になります。

しかしながら、1日の原油消費量は米国で約2,000万バレル、中国で約1,400万バレル、インドが約520万バレル、日本が約380万バレルと、世界全体で見ると1日あたり約1億バレル程度の消費量があります。

一方、ロシアの原油生産量は日量1100万バレル程度、そのうち消費量が300万バレル程度なため、輸出量は700万バレル~800万バレル程度といわれています。

そのため、仮にロシア産原油の禁輸により800万バレル規模の供給が減少した場合、2億4千万バレルの放出では1か月程度しか持たないかもしれません。

もちろん丸々800万バレルではなく、供給減が100~300万バレル規模に収まる場合、半年程度は持つ可能性がありますが、増産をしない限りは原油の高止まりが続く可能性が高いと見られています。

今後、もし原油価格が下がるとすれば、増産の決定、もしくは新型コロナ拡大によるロックダウンになるかもしれませんが、ワクチン接種が進んでいる状況のなか、コロナ禍は終息に向かう可能性もあるため、原油価格が急激に下落するのは難しいのかもしれません。