2014年8月アーカイブ

実質GDPが大幅な落ち込み

消費税増税による駆け込み需要の反動減で、4月~6月の実質GDPが大幅に落ち込んできています。個人消費が5%減に対し、民間在庫数が1.3%増加していますので、消費税増税の消費の落ち込みを企業が過少評価していたものと考えられます。

ただ、株価はそれほど減少しておらず、あまり影響を受けていないようにも思えます。 おそらく、消費税の増税を10%に上げるまでは、年金資金などを使って株価の下落を抑えていくのではないでしょうか。

企業の設備投資が低下している点を考えますと、企業業績の回復はあまり見込めないかもしれません。加えて、企業業績の回復が見込めないとなると、賃金の上昇も見込めませんので、結果として消費も冷え込んでいくものと思われます。

さらに、ここにきて消費税10%が予定されています。これで税収が増えればまだいいものの、消費自体が冷え込んでいる分、税収はあまり伸びてはいかないような気がしております。また、大企業の法人税減税も予定されていますので、税収不足に拍車がかかってしまうような気がしております。

当初、消費税増税による反動は軽微なものと言われておりましたし、また、実感としてもあまり影響がなかったような感じもありましたが、実際の数字を確認してみますと、かなりネガティブな状況と言わざるを得なくなってしまいました。
今月からはじまったいきなりの円安相場ですが、日本では円がじゃぶじゃぶなのに対し、米国では好景気から利上げムードが漂っていることが原因のようです。加えて、ここ1年ほどの間、105円を突破することができずにいた外国為替相場ですが、とりあえずは105年を突破し、110円を目指している最中だろうと思われます。

ただ、グローバル化した国際経済において、もはや円安が企業に利益をもたらすわけではありません。民主党政権下で円高が続いておりましたが、日本企業は何年もかけて円高でも利益が出るような体制に順応してきたわけです。

そのため、自民党政権になり、円安が進むにつれ、急速に業績が悪化してしまった企業もなかには見受けられます。資材の調達や工場の生産拠点などは、数年単位でないと対応できないため、急に円安が進んだからといって、すぐに円安体制に移行できるわけではなく、やはり数年単位での期間が必要になります。

また、円安になったからといって、数年がかりで円安で利益が出る体制を整えたと思ったら、また円高になってしまったということになれば、踏んだりけったりです。

なので、おそらくは数年をかけて少しずつ1ドル120円程度を目指していくのではないだろうかと僕は想定しております。ただ、すでに円が異次元のじゃぶじゃぶ状態になっておりますので、その結果が異次元の結末をもたらすとすれば、1ドル130円を超えてくるかもしれません。

単純に考えれば、マネーサプライを倍増させると円の価値が半分になるはずですので、円安がもっと続いていく可能性も考えられます。

円安が進むと輸出関連企業の業績がよくなるといわれていますが、これ以上の円安は逆にデメリットになる可能性もあるわけですので、ここは視点をかえて、FX関連銘柄などを探ってみるのも面白いかもしれません。為替が動けば、FXの取引量も増大するはずですので、FX関連企業の業績が上向く可能性もあります。
先週は日経平均が1万5千円を割りこんできました。アナリストによると、ウクライナやイラク空爆の地政学的なリスクが影響しているとのことです。また、経常赤字などの経済指標でネガティブな数字が出てきており、こちらの方が影響しているという見方もあります。

はたして、この株価下落が地政学的リスクなのか、アベノミクス売りなのか、どちらも影響しているとは思いますが、一番大きな要素は海外ファンドの換金売りということになるのではないかと考えております。去年もそうでしたが、今の時期は株価が下落しやすい時期に入ってきています。

タイミング的に見ても、地政学的リスクの拡大と換金売りの時期が重なっていますので、市場への影響が最低限で済む形で、イラク空爆の判断をオバマ大統領が下したとみるのが妥当といえるでしょう。

週末の換金売りも重なり、先週は大幅な下落につながったものとみています。

ただ、チャートで見てみますと、これより下には5月の公務員の年金資金が入っているレンジになりますので、ここを割り込むのは考えにくいです。

逆にいえば、ここが買い時ともいえるわけですが、すでにニューヨークは反発しておりますので、買うとすれば、金曜の引けが大底だったのではないかと考えております。おそらく、月曜は売り方の週末持越し分の買戻しがあるでしょうし、明日は大幅な上昇となることでしょう。

ただし、換金売りの時期がまだ終息はしておりませんので、ボラティリティーの高い傾向にあることは予測されます。深追いせず、あがったところで利益確定するような、モグラ叩きトレード手法が今の時期は有効だと見ております。