経済

財務省によると、6月末での日本の借金が10,889,851億円になったそうです。

これを日本の人口12,659万人(7月末)で割ると約860万円、現役世代(15~64歳)の7,578万人で割ると1,437万円の計算になります。

財務省理財局の資料のため、これまでの一連の経緯を考えると信ぴょう性に乏しい面もありますが、概ね日本は借金大国であるといっても過言ではありません。

理論上、日銀がすべての国債を購入できれば、国債利払いは国庫納付金として国民の財産にはなりますが、買い取り残高はまだ448兆3,261億円(29年度)程度に留まっており、この辺りで限界が見え隠れしてきました。

現在、トルコ国債の10年もので21.530%となっていますが、仮にこの程度まで金利が上昇してしまうと残高500兆円(962-448)としても100兆円程度の利払いが発生することになります。現在の日本の税収の58兆円ではとうてい返済できなくなってしまいます。

こうなってしまうと、不足分の42兆円を借金してくるか、税金を1.72倍程度まで引き上げるしかありませんが、いずれかの時点で限界は出てくる気がしてなりません。

果たして、10,889,851億円の借金を完済することが本当に可能なのでしょうか?

いずれにしても、あと数年程度で結果は出るのではないかとぼくは感じています。

マイナス金利導入後、銀行の収益は圧迫されていますが、日銀が長期金利の上昇を認める方向で緩和政策を調整することになりました。

長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし...(以下、省略)

果たして、これは出口政策なのでしょうか?

市場の反応は為替が円安の方向へ進んでいるほか、銀行銘柄は概ね下落しており、また直ちに緊縮政策とならないことから日経平均株価はプラスの結果になりました。

銀行銘柄が下落したということは、収益改善にはまったく期待はずれの内容だったものと思いますが、期待外れだったために金融緩和が今後も継続するととられ、日経平均株価はわずかに上昇しています。

2%の物価目標の達成がほぼ不可能な状況のなか、いずれ金融緩和を大幅に修正しなくてはいけなくなるものと思われますが、当面は緩和継続という受け取られ方をしたもようです。

今回の長期金利変動の容認を出口政策とするには弱すぎる内容だったかもしれません。

欧州のECB(European Central Bank)が今月の6月14日、年内にも出口戦略をとることを決定したもようです。はやければ来年にも利上げに踏み切るのではないかと見られていますが、金融緩和の終了と利上げは世界的な流れになってきました。

日本はまだ出口戦略を取れる状態にないことを考えると、日米と日欧の金利差が拡大し、資金は米国や欧州へ向かうことになるのかもしれません。

結果として、今後の為替は円安ドル高へシフトするのではないかと感じています。いずれ、1ドル120円程度までは円安ドル高に進む可能性も出てきました。

一方、日銀が物価目標2%をいつまで掲げるのかは不明ですが、2%の達成はほぼ不可能という雰囲気になりましたので、いずれかの時点で目標を切り下げてくるものとぼくは考えています。ただし、金融緩和を止めるとはなかなか言い出せない状況でもあり、2%の目標を放棄することは出口戦略へのシフトを意味しますので、一気に円高が進んでしまう可能性があります。

その結果として、1ドル100円を割り込んでくる可能性も考えられます。

そうなってしまうと、デフレマインドにさらなる拍車がかかることになり、今までの金融緩和の努力が無駄になってしまいます。かといって、このままマイナス金利を続けていけば、金融機関の収益力が低下し、破たんする可能性も現実味を帯びてきました。

加えて、来年の消費増税以降、消費はさらに冷え込み、デフレマインドが強固になってしまうとみられており、ひくに行けない状況に陥ってしまった感じも否めません。

日銀が金融緩和をいつやめるのか、それとも日本の最後まで走り抜ける決意なのか、そのあたりは分かりませんが、タイミング的にはECBが利上げに踏み切ったあたりではないかと感じています。

日銀が2019年度頃を予定していた物価目標2%の達成時期を削除することに決めたようです。6回も先送りしてきた以上、当然といえば当然ですが、逆にいえば、達成時期を捨てるのは異次元の緩和政策が限界に達しつつある証拠ともいえます。

「これ、無理っぽくね?」と思いつつも、異次元の緩和を続けてきたわけですが、次第に副作用が強くなってきた状況のなか、いずれかの時点で金融緩和を中止しないといけません。おそらくは、2%達成を待たずして出口戦略に入るものと考えておりますが、ぼくはその時期をズバリ2018年~2021年の間と予測しています。

特に注目すべきはETF買い入れですが、これを売らずに据え置くという選択肢はあるのでしょうか?

ぼくはそのような選択はしないだろうと考えており、その兆候が見えた際には空売りを入れる用意をしてその時期を待っております。

日銀の政策については当たらずとも遠からず、非常に惜しいポイントを突いてましたが、インフレに対するマインドセットが気持ち弱めだったのではないかと感じています。デフレマインドを取り崩すチャンスはマイナス金利の導入時点にあり、あの時にもっと突っ込んだマイナス金利をしておけばよかったものの、銀行への配慮か中途半端なものになってしまいました。

いずれにしても、来年の消費増税後でさらにデフレマインドが強固になると思いますので、今回の日銀の2%達成時期の放棄については、当然といえば、当然のことなのかもしれません。まだ2%目標の達成自体は放棄していないようですが、果たして本当に達成する時は来るのでしょうか?

いずれ2%の目標自体も知らないうちに削除されるのではないかと感じています。

2018年度の時点ですが、プライマリーバランスの赤字が想定よりも6兆9,000億円程度悪化するとの見通しとなりました。

こう見ると6兆9,000億円の赤字のように思えますが、実際の赤字の見通しは16兆4,000億円となっており、あくまで想定よりも悪化した数字が6兆9,000億円ということになります。

最近ではアベノミクスの限界もささやかれており、加えて団塊の世代が2025年までに後期高齢者となるため、社会保障費のさらなる増大も予測されており、財政状況はさらに悪化するものと考えられています。

株価が戦後高値を推移しており、この上ない好景気になっているはずの現在でも16兆4,000億円もの赤字となっている状況のなか、果たして本当にプライマリーバランス黒字化は達成するのかという疑問があります。

さらに、今までの団塊の世代が財政赤字で推移してきた状況のなか、なぜ氷河期世代を中心とした現役世代がプライマリーバランスを黒字化しなければならないのかという疑問もあります。

これは親500万円と子供500万円の年収で、合計の世帯収入が仮に1,000万円だったとします。

これまで団塊の世代は年収500万円に加え、借金で毎年500万円を積み重ね、借金が5,000万円にも積みあがりました。これはやばいということで、今後は支出を引き締め、子供にも協力してもらって少しずつでも借金を返済していこうというような論理です。

これでは子供の世代は何もしていないのに、つつましい生活を強制されているようなもので、そのような現状が少子高齢化の原因にもなっています。

普通に考えれば、親の世代が年収と借金で年収1,000万円の生活をしていたのなら、子供も同じように借金をして年収1,000万円の生活をするべきです。そもそもプライマリーバランスを黒字化する必要などまったくなく、少子高齢化社会が是正されるまで、50年でも100年でも赤字の状態でやりくりするべき事案であるとぼくは考えています。

世代間格差が拡大している状況のなか、これを是正するにはプライマリーバランスのさらなる赤字化が必要不可欠であると思われます。