2017年1月アーカイブ

2008年のリーマンショック以降、国の税収は右肩上がりの状態が続いていましたが、2016年度の国の決算では7年ぶりのマイナスへと転落しました。当初の予定では57.6兆円だったものが、決算では55.5兆円と約2.1兆円程度の減収となっています。

当初、国と地方を合わせた税収が100兆円を超えると予測されていましたが、今回の決算では厳しめの内容となってしまいました。直近の税収増については消費増税の影響もありますが、主に円安による企業業績の改善による税収増の影響が大きいといわれています。

けれども、当サイト運営者の印象では法人税の増加による影響はそれほど大きくないと感じております。また、トランプ政権の状況を考えれば、これ以上の円安もそれほど期待できないなか、企業業績の増加も期待できず、むしろ円高に振れてしまうリスクの方が高めと考えています。

また、所得税についても賃金の上昇が見込まれないなか、これ以上の増加は困難といえるでしょう。

法人税もだめ、所得税もだめとすれば、あとは消費税をあげるより他に方法はありませんが、これ以上の大幅な円安が見込まれないなかでの増税は消費の冷え込みに拍車をかけることになりそうです。今回の税収減により、19年10月の消費増税は不可避と感じておりますが、一方で企業業績が不調な状況では壊滅的な結果も予測されますので、増税を再度見送るのではないかとも感じています。

個人的にはこのあたりがアベノミクスの限界かと感じておりますが、2兆円程度でしたら、東芝メモリの売却額と同じぐらいの金額なので誤差の範囲内といえなくもないです。

ただし、現在の日経平均株価の20,000円を大きく超えて上昇していくイメージは僕にはありません。上がらなければあとは下がるのみですが、国策として何とか株価を買い支えようとすることで株価は膠着状態に陥るものと考えております。

いずれにしても、このあたりからは少し上がれば、空売りを入れて行くのが正解のような気がしております。

トランプ大統領の就任演説を聞いていましたが、なかなかよい演説だったのではないかと思います。

会場には歴代の大統領がずらりと並んでいましたが、彼らを目の前にして、トランプ氏はこれまでの政治は全然だめだめだったといっていました。これまでは一部の勢力が恩恵にあずかる一方、それは国民の勝利ではなく、労働者が繫栄を享受することがなかったと主張していたわけです。

つまり、歴代大統領を目の前にして無能扱いしたわけですが、実際のところ、米国の現状を見ればそうだったのではないかと思います。アメリカでは経済格差が拡大していますが、国民全員が繁栄を謳歌している印象はありません。

これは日本でも同じ状況ではないかと思います。

一部の人たちが恩恵にあずかる一方、庶民の生活は苦しくなってきており、特に若者世代は繁栄を享受しているとはほど遠い状況にあります。一部の企業だけが円安で儲け、内部留保が増加してはおりますが、賃金の上昇には反映されていません。加えて、株価の上昇によって一部の富裕層が資産を増やす結果にはなっていますが、トリクルダウンなどはまったく生じていない状況です。

失われた世代の夢は非正規ではなく正社員で働けること、結婚して安心して子育てをできること、あるいは年金がきちんともらえることなどという状況になっておりますが、本来、そのようなことは夢でもなんでもなく、ごく当たり前のことです。

繁栄どころか、出生数が100万人を割り込む状況となっており、将来世代へのつけが1000兆円をこえ、日本は衰退の一途を辿っている最中です。トランプ大統領は「皆さんの勝利ではありませんでした。」といっていましたが、これはまさに、日本の氷河期世代にとってもズシリと響く言葉だったのではないかと思われます。

また、メディアを批判していますが、これはメディアの報道に反して、ブレグジットやトランプ大統領が誕生した結果からみても、誰もがそう感じているものと思われます。ブレグジットやトランプ大統領の誕生、あるいは円高にはならなかったことなど、メディアの報道がことごくはずれてきましたが、これは意図的な偏向報道があった証でもあります。

加えて、トランプ政権が誕生したことに対するがっかり感が連日のように繰り返し報道されていますが、正当な選挙を経て誕生した大統領だったわけですので、誰もががっかりしているわけではありません。むしろ、多数の共感する人がいたからこそ、選挙で勝利したといえるのではないでしょうか。

「アメリカファースト」と言っていましたが、今後は日本でも「ジャパンファースト」の方向に時代はシフトしていくのではないかと感じています。

2017年末の日経平均株価を予想

2017年がはじまりましたが、安倍首相は年初から「デフレだとわくわくしない。」と言っていたようです。これはつまり、「デフレからの脱却」を2017年の目標に掲げたわけですが、これではいつまで経ってもデフレからは脱却できません。

なぜなら、「デフレからの脱却」ということは、逆にいえば、「今現在、まだデフレからは脱却できていない。」ということを意味しているからです。つまり、安倍首相が言っていることは、「日本はまだまだデフレの状態ですよ。」と何度もクドイくらいに言っているのも同然です。

総理大臣がまだ日本はデフレの状態にあると言っているのに、果たして国民は消費しようなどと思うでしょうか?

答えは「否」、誰も消費しようなどとは考えません。

デフレならスパイラルするのがセオリーですので、まだまだ安くなるまで購入を控えるのが消費者心理というものです。

このあたり、公務員だから仕方のない面もありますが、民間企業の社長なら、まずこのような物言いはしません。例え、今現在インフレになっていないとしても、「今、日本は次第にインフレになりつつある。」というような前向きな言い方をするものです。

言葉で日本をよい未来へ導いていく、それがリーダーシップというものです。

財務大臣が為替について言及してはいけないように、日本の首相も「デフレ」については国民の前で言葉に出してはいけないのです。それが年明け早々、「デフレ、デフレ」と言っているわけですから、国民の財布の紐はますますきつくなっていくばかりです。

政治家は言葉で未来へ導いていかなくてはいけませんが、年初の総理のお言葉には明るい兆しのようなものは感じられませんでした。おそらく、今年はデフレがさらに加速していくものと思われます。

なので、国内消費の冷え込みと企業業績の悪化で、2017年末の日経平均株価はズバリ「10,000円~12,000円」。

このレンジを僕は予測しています。