2019年11月アーカイブ

日経新聞にてビックニュースが飛び込んできましたが、スルガ銀行のシェアハウスオーナーが土地と建物を物納すれば、借金を帳消しにする方向で調整することにしたもようです。

創業家問題に続き、シェアハウス問題についてもこれで解決の道筋がついたのかもしれません。

シェアハウス向け融資の残高については、2019年9月末時点で1992億円、所有者数は1200人強とのことですが、決算書では2019年9月の引当金の残高が1351億円となっているため、この差額で土地と建物が売れればトントンといった形になるのかもしれません。

ただ、儲かっているオーナーについては応じないはずですので、これで白黒がつけば、儲かっているオーナー分の引当金については取り崩すことも可能になるのではないかと予想しています。延滞率が40%となっていますので、実際にカツカツのオーナーも多いとは思いますが、全員が全員、物納に応じるわけではないはずです。

仮に1割が大丈夫な債権となった場合でも、けっこうな戻し益になりそうな気もしています。

いずれにしても、これでシェアハウス問題解決への大きな進展になるのではないかなと感じています。

スルガ銀行の決算書を読む

先日のスルガ銀行の決算書を読んでみたのですが、注目していた貸倒引当金戻入益の箇所は特に何も記載されていなかったようです。


(※2020年3月期 第2四半期(中間期)決算より)

現在、貸倒引当金の残高がシェアハウス関連だけで1351億円あり、創業家でも134億円ありますが、創業家の分については既にビルが三井不動産に売却されたとの報道があり、保有株も既にノジマに売却されています。

もし売却したビルに問題がなく、そのお金で返済が完了して貸倒引当金の必要がなくなれば、この引当金を取り崩して貸倒引当金戻入益になるかと思いますが、瑕疵のチェックなどで時間がかかるのでしょうか、まだ時期尚早なのかもしれません。

ちなみに、こちらは以前の「平成28年3月期」ですが、この時には臨時損益の箇所に「貸倒引当金戻入益」が記載されており、おそらくはこのような形で利益になるのではないかとぼくは予想してます。


(※平成28年3月期 決算より)

ただ、戻入額よりも引当金の額が多くなれば、こうはならない可能性もあり、今後の焦点は投資用不動産ローンでの引当金の増加分がどの程度になるのかという点にかかってくると感じています。

投資用不動産ローンではほとんど延滞は発生していないものの、やはり心配だから引当金を積んでおこうみたいな流れになると赤字になってしまう可能性もあるはずです。

でも、ぼくはこれ以上の引当金の必要ないと考えてますし、そういう赤字になるようなことは本当にやめて欲しいのですが、少しぐらい入居率が悪くても顧客の返済能力を信じるべきと感じています。

やはり、人を信じることができなくなれば終わりだと思うのです。

自分を信じ、そして顧客も信じること。

今、スルガ銀行に必要なのは人を信じる強さではないかとぼくは感じています。

スルガ銀行が上方修正か?

本日はスルガ銀行の決算発表があり、早くも上方修正の結果となりましたが、概ね想定の範囲内なのかなという印象を感じています。

ただ、上方修正の理由が「実質与信費用が減少したこと等により」とのことで、ぼくが予想していた理由はこれではないのですが、いずれにしてもノジマさんはいい買い物をしたのではないかと感じています。

最近は福島銀行が爆上げする展開になっており、地銀銘柄がひとつのトレンドになってきていますが、次はスルガ銀行の番?なのかもしれません。

ただ、4~9月期で159億円の黒字なら、単純に考えて通期でもっといくでしょうし、創業家やオーナーの引当金関連はどうなっているのだろうという気持ちもあり、ちょっと保守的かなという印象もあります。

これらを足して約2.3億株でわり、per9ぐらいが適正じゃないかなと思いますが、配当が無配となったのは微妙かもしれません。

シェアハウス問題についても、今月末で元本一部カットの受付が終了するとのことで、これが終了すれば、ある程度は目途がつくのかもしれません。

次も穴を埋めてくるのかどうかは不明ですが、しばらくは目を離せない展開になってきました。