スルガ銀行の決算書を読む

先日のスルガ銀行の決算書を読んでみたのですが、注目していた貸倒引当金戻入益の箇所は特に何も記載されていなかったようです。


(※2020年3月期 第2四半期(中間期)決算より)

現在、貸倒引当金の残高がシェアハウス関連だけで1351億円あり、創業家でも134億円ありますが、創業家の分については既にビルが三井不動産に売却されたとの報道があり、保有株も既にノジマに売却されています。

もし売却したビルに問題がなく、そのお金で返済が完了して貸倒引当金の必要がなくなれば、この引当金を取り崩して貸倒引当金戻入益になるかと思いますが、瑕疵のチェックなどで時間がかかるのでしょうか、まだ時期尚早なのかもしれません。

ちなみに、こちらは以前の「平成28年3月期」ですが、この時には臨時損益の箇所に「貸倒引当金戻入益」が記載されており、おそらくはこのような形で利益になるのではないかとぼくは予想してます。


(※平成28年3月期 決算より)

ただ、戻入額よりも引当金の額が多くなれば、こうはならない可能性もあり、今後の焦点は投資用不動産ローンでの引当金の増加分がどの程度になるのかという点にかかってくると感じています。

投資用不動産ローンではほとんど延滞は発生していないものの、やはり心配だから引当金を積んでおこうみたいな流れになると赤字になってしまう可能性もあるはずです。

でも、ぼくはこれ以上の引当金の必要ないと考えてますし、そういう赤字になるようなことは本当にやめて欲しいのですが、少しぐらい入居率が悪くても顧客の返済能力を信じるべきと感じています。

やはり、人を信じることができなくなれば終わりだと思うのです。

自分を信じ、そして顧客も信じること。

今、スルガ銀行に必要なのは人を信じる強さではないかとぼくは感じています。