アベノミクスなのに、なぜ実質GDPはマイナス成長なのか?

2015年10~12月期の実質GDPは、前期比で0.4%のマイナス、年率換算で1.4%減の結果となりました。また実質賃金も4年連続マイナスの結果となっており、景気回復にはまだ程遠いようです。

ただ、実質GDPの発表を受け、株価は逆に上昇していたのでまだ反映されていません。もしかすると、今年はじめからの下げ幅は、この実質GDPのマイナス成長を折り込んだ上でのことかもしれませんが、微妙な株価水準が続いているようです。僕的には最終的に株価7,000円を割るものとみておりますが、今年は実態のない株高に対する修正がなされる年になるだろうと考えております。

現在、懸念されているのはドイツ銀行などの欧米金融機関の業績悪化です。Deutsche Bankは2015年に、約8800億円規模の赤字を計上しましたが、万一、倒産するとなると欧州発の金融危機が勃発することになります。現在の日経平均の株高は、おそらくはこのヨーロッパ金融危機を見越した上での空売りを積み上げている状況なのではないでしょうか。

なので、今後数年間の間、日経平均株価が18,000円まで回復することはもうないと考えておりますが、おそらくは年内に10,000円を切ってくるものと考えております。アベノミクスは茶番だったということが、今回の実質GDPの結果で判明した形になりましたが、なぜ経済がマイナス成長なのかに気付き始めているのかもしれません。

リーマンショック級の金融危機となった場合、消費税増税は見送られる形になるはずですが、そうなると財政健全化への道がとざされ、国債に売りが殺到することになるはずです。その時、日銀はどのような対応をとるのか?ここがひとつの正念場と考えておいてもよいでしょう。