欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を終了か?

欧州のECB(European Central Bank)が今月の6月14日、年内にも出口戦略をとることを決定したもようです。はやければ来年にも利上げに踏み切るのではないかと見られていますが、金融緩和の終了と利上げは世界的な流れになってきました。

日本はまだ出口戦略を取れる状態にないことを考えると、日米と日欧の金利差が拡大し、資金は米国や欧州へ向かうことになるのかもしれません。

結果として、今後の為替は円安ドル高へシフトするのではないかと感じています。いずれ、1ドル120円程度までは円安ドル高に進む可能性も出てきました。

一方、日銀が物価目標2%をいつまで掲げるのかは不明ですが、2%の達成はほぼ不可能という雰囲気になりましたので、いずれかの時点で目標を切り下げてくるものとぼくは考えています。ただし、金融緩和を止めるとはなかなか言い出せない状況でもあり、2%の目標を放棄することは出口戦略へのシフトを意味しますので、一気に円高が進んでしまう可能性があります。

その結果として、1ドル100円を割り込んでくる可能性も考えられます。

そうなってしまうと、デフレマインドにさらなる拍車がかかることになり、今までの金融緩和の努力が無駄になってしまいます。かといって、このままマイナス金利を続けていけば、金融機関の収益力が低下し、破たんする可能性も現実味を帯びてきました。

加えて、来年の消費増税以降、消費はさらに冷え込み、デフレマインドが強固になってしまうとみられており、ひくに行けない状況に陥ってしまった感じも否めません。

日銀が金融緩和をいつやめるのか、それとも日本の最後まで走り抜ける決意なのか、そのあたりは分かりませんが、タイミング的にはECBが利上げに踏み切ったあたりではないかと感じています。