実質賃金が前年同月比0.1%増へ

速報値ですが、毎月勤労統計調査によると実質賃金が2年ぶりに前年同月比0.1%のプラスに転じました。0.1%が多いのか少ないのかは不明ですが、プラスに転じたことで先行きに明るさが出てきております。

けれども、この先、消費税増税も控えておりますし、円安による物価高はこれからやってきます。円安125円になったのはつい先日のことですので、円安による値上げラッシュと増税の可処分所得の減少による消費の冷え込みはまだ何もはじまっていないといえます。

そのような状況のなか、この春の実質賃金の増加はわずか0.1%という結果でした。1年間はこの状況が継続することが予想されますので、この数字でこの1年を乗り切ることができるのかという懸念が出てきております。また、あくまで速報値での話であり、確報値では下方修正される懸念もあります。

この先に想定されている増税や物価高を考えると、5%ぐらいの実質賃金アップでトントン、景気回復を実感するには10%以上の数字がないと厳しいものと思われますが、結果として0.1%増という結果に終わってしまいました。

総じて考えますと、輸出型大企業と中小企業の格差が拡大していく方向へ向かっていると思われますが、今から輸出企業の銘柄を物色するには、多少、高値感も出てきております。日経平均12連騰のあと、そろそろ調整される時期が来てもおかしくないかもしれません。

今回の実質賃金の上げ幅では、今後の消費の冷え込みは避けることが出来ない数字が出てきてしまったため、内需型の輸入企業の銘柄は、ちょっと手が出しづらい時期に入ってきたように感じております。