イギリスのEU離脱が世界経済へ与える影響

英国のEU離脱から24時間が経過しましたが、各国の株価への影響は以下のようになっています。

日本:-7.92%
イギリス:-3.14%
ドイツ:-6.82%
フランス:-8.04%
米国:-3.38%

想定外となるEU離脱の結果を受け、金融市場は混乱しておりますが、具体的にどのような影響が出るのでしょうか?

まず、イギリスがEUへ輸出する際の関税が発生することにより、英国に拠点を置いていた多国籍企業の撤退が示唆されています。貿易量の減少のほか、国際的な資本が英国には流入しなくなりますし、企業の撤退により工場なども閉鎖されるため、大量の失業者が生まれることが想定されています。GDPも大幅に減少することでしょう。

加えて、連鎖的にEUを離脱する国が増えれば、その国でも同様の事態が発生することになりますので、経済活動はさらに停滞することが予測されています。

そのような状況のなか、ポンドが売られることで安全通貨といわれている円が買われることにより、円高になりますので、日本の輸出企業の業績も悪化することになります。これに伴い、日本企業の株価が下がることにより、世界同時不況に陥る可能性も出てきました。

世界的に経済活動が停滞することにより、原油への需要も低下し、最近は持ち直してきていた原油価格が再び下落することになるでしょう。そうなると、シェールオイルの採算も悪くなり、シェール企業の倒産懸念も再燃することになりかねません。

世界はリスクオフの展開をむかえることにより、今後、数年間は景気回復が見込めないとの見方が強くなってきました。

一方で、EU離脱が英国のみで留まることになれば、それほどの影響は出ないと思われます。EUが加盟各国の連鎖的な離脱を食い止めることができるかどうか、今後はこの点に焦点が移っていくことになるでしょう。