日産はルノーに吸収されてしまうのだろうか?

2018年は不適切な事象が多々発生しましたが、先週は新たに日産自動車が追加されることになりました。ゴーン氏が役員報酬を過少に申告していたとのことで、金融商品取引法違反の疑いで取り調べを受けています。

この役員報酬の過少申告については、個人会社では会社の経費で高級車を購入するなどよくあるので、どの程度の罪に問われるのかは不明です。ただ、虚偽記載をすると投資家を欺いてしまうことになるため、この部分では明確にアウトかと感じています。

今回の日産については、世界的なインパクトの大きさから2018年の不適切ランキングでトップになるであろうと僕は予測しております。てっきり、今年はスルガ銀行で決まりだなと思っていたのですが、メディアの関心はゴーン氏へ移ったように感じました。

このゴーン氏については、三菱自動車の燃費不正の際、株価が暴落したところで出資する対応をとっており、3社連合がより強固になったものと記憶しております。

ぼくはあの時点で日産と三菱自動車はルノーの実質子会社という認識でいたため、正直、日産が日本企業という認識はありませんでした。シャープみたいな外資系の会社なのだろうというイメージが強かったです。

ルノーが日産に43.4%出資しており、その日産が三菱自に34%出資している状態で、ルノーの大株主がフランス政府であることを考えれば、既に事実上、フランスのものと考えてもよいかと思います。ルノーの株主は金のなる木の日産を放棄することは絶対に承認しないでしょうし、資本主義社会のルールでいえば、ルノーが日産を吸収合併しても当然の論理ではないかと感じています。

なので、今さら吸収合併うんぬんもないだろうとは思うのですが、日本の雇用などへの影響が大きく、あまりにも惜しい気持ちもよく分かりますので、力ずくで何とかしようということなのかなとも感じています。

株式比率でいえば、この構成から吸収合併を阻止するのは不可能に近いと考えているのですが、日産側に何か秘策はあるのでしょうか、今後の展開に注目していきたいと思います。