株式

一時は1バレル120ドル程度をつけた原油価格(WTI)ですが、現在は約77ドル程度まで大幅に下落しており、原油関連の株価も安値を更新する形となりました。

こちらは原油ダブル・ブル(2038)ですが、本日は終値1315円で終了しています。

2022秋の原油トレンド

しかしながら、年初は800円台であったことを考えると、大幅に下落したとはいえ、まだまだ高値の水準にあります。一時は1バレル150ドルになるともいわれていた原油価格ですが、利上げによる需要減が見込まれるなか、大幅に下落する形となってしまいました。

ただ、米国ではそろそろ原油の備蓄放出が終了し、いずれは再度、備蓄する必要が出てきます。加えて、新型コロナ禍が徐々に終息に向かいつつあるなか、今後は需要が回復してくるかもしれません。

あるいは、ここまで原油価格が下落してしまうと、中東諸国が減産してしまう可能性もあります。

何が原因で、いつ原油高トレンドが復活してもおかしくない状況のなか、利上げによる需要減でどこまで原油価格が下落していくのか、今後も注目していきたいと思います。

中国の上海ロックダウンが1日で解除される見込みとなり、加えてEUがロシア産石油の輸入禁止で合意した影響などで原油価格が高騰しています。

これは三角持ち合いを上抜けたと考えてもよいかもしれませんが、以前にも上抜けたと思いきや下落しましたので、今後も上がったり、下がったりを繰り返しながら、原油価格は徐々に上昇していくのではないかと感じております。

今後、コロナ禍から世界経済が回復してきますと原油高にますます拍車がかかる可能性がありますが、上海ロックダウンの解除により、中国経済が回復する見込みとなったのは特に影響が大きいのかもしれません。輸入禁止による供給減に加え、ロックダウン解除による需要増、さらに年末にかけては備蓄放出も玉切れになるはずですので、もし、仮に年内に停戦合意が実現してもロシアへの経済制裁が解除されなければ、ゆくゆくはさらに原油高になる可能性も出てきました。

しかしながら、原油価格の高騰により、仮にロシアが価格を割り引いて輸出しても利益が出る結果となっており、この経済制裁に実効性があるのかは不透明な部分があります。

ただ、これでようやくロシアへの経済制裁がまとまった形になり、世界が意思を示したという点では大きな1歩と言えるでしょう。

ロシアへの経済制裁のため、ロシア産の原油や天然ガスに対する輸入制限がされていますが、WT天然ガス(1689)についてはボラティリティーの高い展開になっています。

この天然ガスについては、コンマの端数が切り上げになるため、節税対策で有用と感じています。

例えば、現在、4.1円となっていますが、4.1円で100株買ったとしても、税務上は端数切り上げで5円で買った扱いになります。

けれども、税務上は5円で買った扱いになるため、買った値の4.1円で売ったとしても、実利はプラスマイナス0円ですが、税務上は0.9円の損失として計上されます。

これを1万株でやれば、手数料を考えなければ、9000円ということになるでしょうか、節税対策するには有用と感じています。

ただ、下に持っていかれると、節税どころか実利でも大きな損失が発生するため、ある程度の出来高があって同値撤退できる状況でないとリスクの方が大きいです。

その点、今回はロシア産エネルギーへの輸出制限で出来高が上昇しており、同値撤退がしやすい状況にあると思います。加えて、ウクライナ情勢の展開によっては高値更新も見込めるかもしれません。

上がったり下がったりを繰り返していた原油高トレンドですが、ここにきて三角持ち合い上放れの展開になってきました。

当初、数週間程度で終戦となる予定でしたが、長期化する様相を呈してきており、停戦協議も難航しています。これに伴い、早期にロシアへの経済制裁が解除される見込みは絶望的となってきました。

加えて、新型コロナも落ち着きを見せ始めているなか、原油価格が下がる要素はあまり見当たらない状況になってきているかと思います。

さらなる利上げで経済活動が停滞し、原油需要が減少すれば、ある程度は抑制される可能性もありますが、今のところ、上がる要素はあっても下がる要素は少ない印象があります。

このまま原油高トレンドが継続すれば、日経平均株価は下落基調に転換するでしょうし、円安、株安、原油高のトリプルパンチに見舞われてしまうかもしれません。

1バレル110~115円あたりまではありそうな印象がありますが、今後、原油高はどこまで高騰するのか注目していきたいと思います。

原油ダブルブルの動向ですが、上がったり、下がったりを繰り返して三角持ち合いの展開となってきました。

ここから上放れるのか、下放れるのか、もしくはヨコヨコの展開になるのかは不明ですが、各国は原油の備蓄を放出するなどして価格高騰の抑制に取り組んでいるようです。

ます、国際エネルギー機関(IEA)加盟国が原油の備蓄を放出することを決定しましたが、放出規模としては1億2千万バレルにのぼるようです。この1億2千万バレルのうち、米国は半分の6千万バレルを負担するようです。

これに先駆けて米国のみで1億8千万バレル規模の放出されるとの報道がありましたが、これは合計で3億バレルではなく、IEA分の6千万バレル込みのようですので、合計2億4千万バレル規模の放出となる計算になります。

しかしながら、1日の原油消費量は米国で約2,000万バレル、中国で約1,400万バレル、インドが約520万バレル、日本が約380万バレルと、世界全体で見ると1日あたり約1億バレル程度の消費量があります。

一方、ロシアの原油生産量は日量1100万バレル程度、そのうち消費量が300万バレル程度なため、輸出量は700万バレル~800万バレル程度といわれています。

そのため、仮にロシア産原油の禁輸により800万バレル規模の供給が減少した場合、2億4千万バレルの放出では1か月程度しか持たないかもしれません。

もちろん丸々800万バレルではなく、供給減が100~300万バレル規模に収まる場合、半年程度は持つ可能性がありますが、増産をしない限りは原油の高止まりが続く可能性が高いと見られています。

今後、もし原油価格が下がるとすれば、増産の決定、もしくは新型コロナ拡大によるロックダウンになるかもしれませんが、ワクチン接種が進んでいる状況のなか、コロナ禍は終息に向かう可能性もあるため、原油価格が急激に下落するのは難しいのかもしれません。