株式

世間をにぎわせている東芝の決算発表ですが、明日14日に決算が発表される予定となっています。東芝は過去にも決算発表を延長しており、不適切会計を繰り返すなど何かと物議をかましている会社でもありますが、明日も再延期となれば、上場廃止の可能性が現実味を帯びてきました。

明日の今ごろには結果はすべて出尽くしているはずですが、どのような数字が出てくるのかについて注目が集まっています。

けれども、ぼく個人の予測としては、決算発表はできないのではないかという印象があります。まさか、決算発表の日に決算が発表されないはずないと考えている方も多いですが、何が何だかわからなくなっている状況だろうと僕は考えています。

一旦、不適切会計で数字をごまかしたとなると、数年前にさかのぼってごまかした数字から計算しなおさなくてはなりません。土台となる数字が間違っており、その間違った数字の上に何年も不適切な決算を積み重ねてきたわけですので、これを修正することなど不可能に近いです。

また、通常、不適切会計や粉飾を意図的にやっていた場合、証拠となる書類は隠匿、もしくは隠滅するはずですので、なおさら正確な数字を遡ることが困難になります。このような状況のなか、会計法人が承認しないというか、実質的にできない状態ではないかとぼくは考えております。

加えて、原発の損失がどこまで膨れ上がるのか誰にも想定できない状況です。この状況で決算を発表するとなれば、逆に不信感が募ってくることになるでしょう。

これらのことから導き出される結論として、明日の決算発表は中止となる可能性が高いとぼくは見ています。

その後の展開としては、現在、特設注意市場銘柄に指定されておりますので、15日には内部管理体制確認書を提出しなくてはなりませんが、決算も出せない状況になれば、確認書の出しようがないというのが実際のところかと思われます。

ポイントはこの15日にあると僕は考えており、東証が正しい判断を下せるのか、もしくはどのようにして管理体制が整ったと見せかけるのか、また会計法人は適切な判断を下せるのか、このあたりに焦点が移っていくことでしょう。

2017年末の日経平均株価を予想

2017年がはじまりましたが、安倍首相は年初から「デフレだとわくわくしない。」と言っていたようです。これはつまり、「デフレからの脱却」を2017年の目標に掲げたわけですが、これではいつまで経ってもデフレからは脱却できません。

なぜなら、「デフレからの脱却」ということは、逆にいえば、「今現在、まだデフレからは脱却できていない。」ということを意味しているからです。つまり、安倍首相が言っていることは、「日本はまだまだデフレの状態ですよ。」と何度もクドイくらいに言っているのも同然です。

総理大臣がまだ日本はデフレの状態にあると言っているのに、果たして国民は消費しようなどと思うでしょうか?

答えは「否」、誰も消費しようなどとは考えません。

デフレならスパイラルするのがセオリーですので、まだまだ安くなるまで購入を控えるのが消費者心理というものです。

このあたり、公務員だから仕方のない面もありますが、民間企業の社長なら、まずこのような物言いはしません。例え、今現在インフレになっていないとしても、「今、日本は次第にインフレになりつつある。」というような前向きな言い方をするものです。

言葉で日本をよい未来へ導いていく、それがリーダーシップというものです。

財務大臣が為替について言及してはいけないように、日本の首相も「デフレ」については国民の前で言葉に出してはいけないのです。それが年明け早々、「デフレ、デフレ」と言っているわけですから、国民の財布の紐はますますきつくなっていくばかりです。

政治家は言葉で未来へ導いていかなくてはいけませんが、年初の総理のお言葉には明るい兆しのようなものは感じられませんでした。おそらく、今年はデフレがさらに加速していくものと思われます。

なので、国内消費の冷え込みと企業業績の悪化で、2017年末の日経平均株価はズバリ「10,000円~12,000円」。

このレンジを僕は予測しています。

日経平均株価が19,000円をタッチしましたが、まだ21,000円付近で塩漬け状態になっている方も多いと思います。ちょうど去年のボーナス時期やニーサの時期に資金を投入し、その直後に下落して塩漬け状態になっている方が多いと思いますが、果たしてこのレンジで捕まっている人の救済に向かうのでしょうか?

おそらくは再度、個人投資家がニーサに資金が投入した直後をねらい、年明け頃に売りに転じるような気もしますが、トランプ大統領の就任時期あたりが目途になると考えております。もしかしますと、ニーサで捕まっている個人投資家が利確できるタイミングがほんの一瞬あるかもしれません。

現在のところ、トランプ氏への期待から米国へ資金が集中してドル高となっておりますが、国内産業を保護すると主張しているトランプ氏がドル高を容認するとは到底思えません。就任後、何らかの形でドル安へ向かうことになるかと思いますが、マスコミが主張していた円高ドル安はまだ数か月程度は先のことになるとぼくは考えています。

もしトランプ氏が本気なら、1ドル50円強めぐらいまで持っていくのではないでしょうか。

いずれにしても、まだ何も変化のない状態で株価のみが上がってきていますが、具体的にトランプ氏が何かやったわけでも、アベノミクスが何かやったわけでもありません。就任後の政策の中身を確認してから判断してもおそくはないと思われます。

日銀のETF購入とは何なのか?

日銀がETFの購入を年間3兆3,000億円から6兆円に倍増するとの報道がなされています。このETFは株価指数連動型の上場投資信託になりますが、具体的にこれは何なんでしょうか?

通常の投資信託の場合、銘柄を選ぶのが面倒くさい、あるいは投資が下手だという人が証券会社や銀行などにお金を預け、自分の代わりに委託して投資してもらうことになるかと思います。できるだけ投資のうまい会社に委託することにより、投資収益が増えていくものと思いますが、下手な会社に委託すると逆に損をしてしまうこともあります。

もし、日銀の投資信託もこれと同じような仕組みならば、どこかの投資信託会社が日銀による委託を受け、最終的には個別銘柄を実際に購入することになるはずです。この金額が年間6兆円に上るということは、6兆円分の株を買えといわれていることになるわけですが、買いたい株がない場合や割高な株ばかりになった場合はどうなってしまうのでしょうか?

無理をしてでも高値の株を買っていき、無理やり6兆円分のノルマを達成するのでしょうか?

このあたりの投資基準の詳細は不明ですが、基本的には上値追いはせず、下がったら買いが入るということが言われておりますので、株価が大きく下がりにくい状況になってきたということがいえそうです。この安心感から日経平均株価は上昇していますが、新興などのマザーズ市場は依然として低迷した状況が続いております。

本来でしたら、マザーズ新興市場のように、日経平均株価も下落していておかしくない状況と思われますが、下がったらETFなどの買いが入ることにより、本来の株価とは乖離した状況になっていることが指摘されています。

もし、このような下がったら買いが入る状況が延々と続いていけば、最終的に日銀が企業の株を買い占めてしまうことにはならないのかという疑問が出てきます。

現在の東証1部の時価総額は約508兆円となっていますので、単純に毎年6兆円づつ買っていっても全部買い占めるには100年ぐらいかかる計算にはなりますが、買うばかりで売らなければ、本来の市場原理をゆがめてしまうことにもなりかねません。

最終的には、どの企業でも日銀が大株主になってしまうという可能性もあるのではないかという気がしております。今回の日銀ETF購入の増額により、市場の健全性をゆがめることになるのではないかという懸念が広まっております。

GPIFの2016年4〜6月期の運用損失が5兆2342億円にのぼる結果となり、直近1年間でみると約11兆円規模に膨らむ事態になりました。万一、このまま四半期5兆円ペースで進むと今年度は約20兆9千億円規模の損失に繋がることが想定されています。

仮に、現在の20歳から64歳までの現役世代の人口を7,400万人としますと、20兆円では一人あたり年間28万円の年金負担額に匹敵する計算となってしまいます。もちろん、このまま四半期あたり5兆円のペースで損失が膨らんだ場合というお話ではありますが、今回の4月〜6月期までの5兆円の損失のみでみましても、現役世代一人あたり約7万円程度の年金負担額に相当する金額がわずか3か月間でふっとんだ計算になるわけです。

昨年度の損失についても約5兆円規模になっていましたので、直近1年間では合わせて11兆円規模の積立金が消失した形になります。

政府は長期的にみれば問題ないという見解を示していますが、少子高齢化により、直近では4兆円規模の取り崩しが発生しているなか、このままのペースでいけば、長期的な運用が不可能になってしまう懸念があります。

例えば、仮に個人が種銭1,000万円で株をやっていて3割下落し、300万円溶かしたとします。その700万円の状態の時に子供の学費で400万円必要となり、株を売って取り崩したとすると残りの種銭は300万円になります。この300万円で以前の300万円分の損失を取り戻そうとすると、投資パフォーマンス10割の利益が必要になるわけです。

年金資金の場合、少子高齢化により毎年のように取り崩しが必要になってくる懸念があり、種銭がどんどん目減りしていくなか、長期戦になればなるほど今回の損失を取り戻すのは不利な状況になるといえるでしょう。

この取り崩し要因による株の売り圧力としては、年間1兆円前後かとぼくは想定しておりますが、GPIFが取り崩しで売れば下がりますので、下がるまえに売っておこうという市場心理が働き、今後は株価の下落基調に拍車がかかることが想定されています。

結果として運用損が拡大することで、年金の株式運用中止の方向へ世論の圧力がかかった場合、GPIFの保有株をすべて売却してしまうことになる可能性もありますので、株へ投資する人はそのうちいなくなってしまい、取り残されたGPIFだけが企業の大株主に名を連ねる結果になるとぼくは予想してます。

これを回避するには、日銀がお札を刷って株を買い、GPIFの取り崩し分を吸収するよりほかないような気がしていますが、今後も日本株の行方に注目していきたいと思います。