経済

今年7~9月期の実質GDPが前期比で-0.2%だったため、年率換算で0.8%減のマイナス成長の結果になりました。個人消費の伸び悩みが顕在化した結果となっています。また、中国経済のバブル崩壊が懸念されているなか、輸出の回復にも目途がたっておらず、減速が鮮明となってきております。

加えて、リフレ派のクルーグマン氏も自説を撤回してしまいましたが、アベノミクスの行方に暗雲が立ち込める結果になったといってもよいでしょう。

一方、アメリカのGDPは情報修正されており、+2.1%という結果になっています。これにより、FRBの利上げ判断を後押しするとの見方も出てきており、資本の流れがアメリカへ移行するような懸念も出始めてきました。

結局、アベノミクスの円安により、大企業の収益は大幅に改善して株価が上昇したものの、資本家である株主の利益が向上しただけで、労働者の賃金には反映されなかったといえます。労働者は円安によるコスト増で消費を抑える傾向があり、さらなる消費税増税なども控えているため、消費するような状況にはなく、景気が回復しないという結果になってしまいました。

今後も社会保障費の増大により、次々に増税が予定されておりますが、さらに消費が冷え込む可能性が出てきており、日本経済は長期的な不況に陥ってしまう可能性も出てきております。

特に、団塊の世代が80代を迎える今後10年程度でさらなる社会保障費の増大が予測されており、現役世代がどこまでの増税に耐えられるのかが焦点になっていくことでしょう。

ヨーロッパと中国での金融政策を受け、世界的な金融緩和の流れが出てきておりますが、これにより日経平均株価も上昇してきているようです。加えて、円安にもふれてきておりますが、今週からはじまるFOMCと30日の日銀金融政策決定会合の動向に注目が集まってきています。

ただ、直近では日経平均株価が回復基調にありますし、円安にもふれてきていることから、日銀がここで追加緩和にはタイミングが悪いということもあり、市場関係者の間では今回の追加緩和はないだろうという観測が強まっているようです。

ここで奥の手を使ってしまえば、このあとに株価が低迷した際に切れるカードを失ってしまいます。中国経済の動向や今後に控えている消費税の増税など、いずれ切らなければならないタイミングが出てくることは予測されますので、それまで温存しておくのではないかという意見が多くなってきています。

一方で、チャート的には、日銀の追加金融緩和がなければ市場の失望を招き、このまま日経平均株価は下落基調に入ってしまう可能性が高いです。世界的な金融緩和の流れというのは、逆をいえば、世界的な景気減退の局面に入ったということを意味していますので、チャートでいえば、何もしなければ株価が下落してしまう状況にあるといえます。

とはいえ、世界的な金融緩和の流れになっていますので、日銀が追加緩和を見送ったからといって売り込むにもやりずらい面もあり、株価の下落は限定的なものに留まるだろうというコンセンサスも市場関係者の間で生じつつあります。

30日の日銀の追加緩和はあるのか、それともないのか。世界中の市場関係者の間で注目が集まってきてます。

9月の貿易収支は大方の予想に反して1,145億円赤字の結果になりました。これで6ヶ月連続の赤字となっていますが、輸出自体は13ヶ月連続の増加が継続しています。この赤字の原因は、中国向け輸出が予想を反して低迷しており、中国の動向へ注目が集まっています。前年の5兆4,585億円の赤字からは大幅に縮小しており、円安をもとに貿易収支の黒字化は時間の問題との見方も強まってきました。

一方で、ここ数年の間に大幅な円安へと振れておりますが、未だに貿易収支が黒字化していないのは、経済活動のグローバル化に伴う海外移転が進んでいるためと見られています。拠点を海外に移しているため、円安になったとしても、以前のように大幅な輸出の増加は見込めません。急激な円安により、かえって企業業績が悪化することもあります。

また、少子高齢化社会の到来により、輸入依存型の経済になるとの見方が強まってきております。このまま貿易赤字が増加していくと、貿易の支払いのために円を売りドルを買う形になり、さらに円安ドル高が強まるとの予測もでてきております。

政府がどのレベルでの円安ドル高を見込んでいるのかは様々な予測が飛び交っておりますが、今後の中国経済の行方によっては、再び円高へ振れる可能性も出てきております。中国経済のゆくえに注目が集まってきました。

9月16日~17日のFOMCの開催を控え、市場はリスクオフの様相を呈してきております。このFOMC(Federal Open Market Committee)というのは、アメリカの金融政策を決定する最高機関でFRBの理事などで構成されており、年8回の委員会が開催されるものです。

これまでもそうでしたが、今回の最大の焦点は政策金利の利上げがいつなされるのかについてです。2006年以降、ずっと利上げが据え置かれていますが、年内に実施されるのかどうかに世界中が関心を寄せています。

利上げがされると、金利が上昇するため、企業は銀行などから資金を調達しにくくなります。一方で、実質的なゼロ金利政策を続けていけば、市場に資金がだぶついてしまう形になり、株や不動産へと資金が流入してバブル経済となってしまう懸念があります。

足元の米国経済は好調ですし、失業率も低水準になってきている現在、いつかは金利を正常な水準に戻さなくてはいけませんが、FOMCはこれまで利上げを延期してきました。今回は延期をせずに、利上げに踏み切らないと市場からは透明性がなくなってしまいます。

一方で、中国やギリシャをはじめ、世界経済は停滞しており、ここで利上げをしてしまうと世界同時株安による不況に突入してしまう可能性も高いです。利上げと同時に、新興国からは資金が流出してしまいますので、世界各国へ与える影響は非常に大きいです。

そのようななか、18日に決定されるFOMCの結果待ちの状態となっておりますが、果たして利上げは実行されるのでしょうか?現在のところ、市場関係者の間では利上げは延期されるという予測が大部分を占めています。

FOMCが金利据え置きを決定

大方の予測どおり、FOMCの利上げは現行水準を据え置く形で決定されました。

独フォルクスワーゲンは排ガスの不正操作を認めましたが、これに続き、BMWやダイムラーでも疑惑が生じています。独BMWと独ダイムラーは不正の事実を否定しておりますが、株価は大幅に下落しているもようです。

これら一連のドイツ自動車業界の不祥事について、世界経済に与える影響はギリシャ危機よりも大きいかもしれません。米国の罰金については乗り越えられるかと思いますが、リコールやユーザーからの訴訟が出てくると経営危機に陥る可能性も示唆されております。

独の主要産業である自動車がこけるとなると欧州全体にも影響しますし、最終的には世界経済へ大きな影響が出てくるものと想定されております。果たしてフォルクスワーゲン・ショックとなるのでしょうか、世界中が今後の展開をかたずをのんで見守っております。

今後の展開としましては、排ガスが規制内に納めるよう、リコールしてプログラムを修正する必要が出てくると思いますが、そうしますと車が使い物にならなくなる可能性も出てきます。

VWショックに比べれば、東芝ショックなどかわいく感じてしまいますが、当面、リスクオフの展開になってくるものと思われます。

個人的には、8月のはじめに株をすべて処理して10月の初めから投資を再開する予定でしたが、中国の問題に続き、今回のVWショックですので再インはしずらいです。当面は世界同時株安の展開になってくるものと思いますが、おそらくは年内に14000円タッチしそうなふいんきが出てきました。

消費税増税で10%になりましたら、悪材料出尽くしというパターンになればよいですが、いまいち買い材料がでてきません。今後もVWショックの動向をチェックしていく予定でおります。